Ⅰ 研究主題
〈研究主題〉
自ら学び、確かな学力を身につける学習指導の工夫
~基礎・基本の定着を図る算数科の授業づくり~
Ⅱ 研究主題設定の理由
学習指導要領には、算数科における「教科の目標」が次のようにあげられている。
算数的活動を通して、数量や図形についての基礎的・基本的な知識及び技能を身に付け、日常の事象について見通しをもち筋道を立てて考え、表現する能力を育てるとともに、算数的活動の楽しさや数理的な処理のよさに気付き、進んで生活や学習に活用しようとする態度を育てる。 |
これは、①基礎的・基本的な知識及び技能の確実な習得に支えられた上で、思考力・表現力・判断力などの育成を目指し、さらに、②算数科の楽しさやよさに気付くことによって、生活や学習に活用しようとする態度につながるものと考えられる。
☆昨年度の学力検査の結果から...
・算数科の得点分布が正規分布となっていない(アンダーアチーバー)
・数年前にさかのぼっても同様の傾向が見られる。
・普段の授業等からも基礎・基本の定着の低さが感じられる。
☆昨年度の学力向上の取り組み...
・朝学習や宿題等による全学年の学習内容の復習
・部分的であるがT.T.を取り入れて、現在の学年の学習内容の定着を図ったこと
これまで本校では、19年度から22年度にかけて、算数科を中心に、基礎的・基本的な学力の定着とコミュニケーション能力の育成をねらって研究を進めてきた。その結果、基礎的・基本的な学力の定着にはある程度の成果が上がったものの、それを基にした「コミュニケーション能力の育成」には課題が残った。そこで、23年度・24年度の2年間、国語科を中心に「表現力の育成」に焦点を絞って研究に取り組んだ。発表や話し合い活動の活性化に少しずつ成果を上げていたが、それと同時に算数科における課題が明らかになり、校内研究とは別組織で前述の「学力向上の取り組み」も行ってきた。それら1年間の取り組みを受け、次年度の校内研究について話し合った結果、算数科における「表現力」を支える「確かな学力」(基礎・基本の定着)に視点を移して、研究を進めることとした。
Ⅲ 研究主題のおさえ
「自ら学び」とは
・学習内容が「わかる」ことに対する意欲をもつ。
・自分の苦手なところを知り、それを克服する意欲をもつ。 ・自ら進んで本時の問題解決に取り組んだり発表しようとしたりする。 ・学習したことを生かして、自ら進んで練習問題に取り組む。 |
「確かな学力」とは
・学習内容が「わかる」ことに対する意欲をもつ。
・自分の苦手なところを知り、それを克服する意欲をもつ。 ・自ら進んで問題に取り組んだり発表しようとしたりする。 ・自ら進んで練習問題に取り組む。
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「基礎・基本の定着」とは
・学習内容が「わかる」ことに対する意欲をもつ。
・自分の苦手なところを知り、それを克服する意欲をもつ。 ・自ら進んで問題に取り組んだり発表しようとしたりする。 ・自ら進んで練習問題に取り組む。 |
「確かな学力」
・市販のテストで学級平均90点以上を目指し、少なくとも平均80点以上の学力をつける。
・個々には苦手な児童でも市販のテストで70点以上の学力をつけたい。
・学力検査等での検証を行う。
「基礎・基本の定着」
・教科書の練習問題には学級全員が正解を導き出せるようにする。
・ドリル(スキル)等の活用で個々の理解度をおさえる。
・学級全員が問題に取り組み発表できる授業づくり。
・授業の場面場面で理解度を確認できる授業づくり。
Ⅳ 研究仮説と研究内容
仮説1
学習形態や指導方法の工夫を図り、算数的活動を充実させた授業展開をすることによって、基礎・基本の定着を図ることができるだろう。
①指導方法の工夫 |
②授業を支える取り組み |
③評価 |
学習形態 指導過程 問題提示の工夫 課題設定の工夫 教材教具の工夫 板書の工夫 ノート指導 練習問題
~毎時間の授業における指導方法の工夫 |
補充的なTTの活用(単元のまとめで取り入れる) 特別支援学級との連携 朝学習の活用 学習訓練(発表名人) 家庭学習
~昨年度の「学力向上の取り組み」から |
自己評価 相互評価 診断的評価 形成的評価~重視したい 総括的評価 |
Wikipediaより
- 診断的評価 - 学習指導を行う前に実施し、指導を行う前の時点での学習者の学力やレディネスを評価する。教師はこの情報を元に指導の計画を立てる。
- 形成的評価 - 学習指導の途中において実施し、それまでの指導内容を学習者がどの程度理解したかを評価する。教師はこの情報を元に指導の計画を変更したり、理解の足りない部分について、あるいは理解の足りない学習者に対して補充的な指導を行う。
- 総括的評価 - 学習指導の終了後に行い、学習者が最終的にどの程度の学力を身に付けたかを評価する。成績をつけるのに使用するほか、教師が自らの指導を省みる材料としても用いることができる。