昨年度、新型コロナウィルスの感染状況により取りやめました、旭川工業団地における1学年の地域職場体験学習を、今度こそは、ついに実現までこぎつけました。
そこで、その事前学習として、旭川工業団地協同組合理事長 佐々木通彦様にご来校いただき、「将来の生き方や職業について考える」という演題でご講演を賜りました。せっかくの機会ということで、2・3年生も一緒にお話を聞かせていただくことにしました。
講演は、まず、テレビでも特集されました野菜洗浄機の製造販売のパイオニアであります株式会社エフ・イーの高度なテクノロジーと独創的な工夫による画期的な機械開発に関して、動画を交えながら説明していただき、このような新しい分野を切り拓いていくことは、職業人としての経験値から生まれる「気づき」を形にしていくことであり、その根底には、人々のためになること、人々を助けるために何かできることはないかというスピリッツが源泉となること。
そこで忘れてはならないのは、❶人を思いやること、❷助け合うこと、➌支え合うことであるということ。そのため、中学生はまず、自分を高めるために勉強をがんばり、そして、社会に出て行き、自分の利益や幸せだけを追求するのではなく、「世のために人のため」に働くことの対価がお給料であるということを認識してほしいということ。
また、ご自身がこのような境地に至った背景として、海外ボランティアや阪神・淡路大震災でのボランティア経験から学び得たことが経営哲学の根本理念となっており、現在、社長として従業員の生活を守ることを最優先事項としているというお話をいただきました。フィリピンのピナトゥボ火山の植林の際、共に活動していた現地の少年達が、ランチボックスをその場で食べず、皆、家族のために持ち帰ろうとしていた姿に「心の豊かさの神髄を見た」というお話は、とても印象に残りました。
佐々木様には、ご多忙の中、キャリア教育、道徳教育、情操教育の観点から、子どもたちの心が揺り動かされる、さまざまな視点からのお話をいただきましたことに、感謝申し上げます。