介護福祉士としての経験を有する教員が中心となって計画し、オリエンテーション→体験→まとめといった構成で授業を展開しました。
まず、1年時の福祉学習で学んだ「ICF(国際生活機能分類)」の考え方をふまえ、どんな人にも、ハンディキャップがあることを再確認しました。
その上で、パラスポーツ体験とNPO法人カムイ大雪バリアフリー研究所「チーム紅蓮」施設長の五十嵐真幸様の講話を通して、障がいや福祉の問題が自分自身にも起こりうることであり、また身近なところにあるという視点から、全ての人にとって普通の暮らしの幸せを実現するために、今後社会において必要な支援や生活で自分ができることについて考えました。
「パラスポーツ体験」は、「車いすバスケット」か「車いすラグビー」のいずれかを選択し、「チーム紅蓮」の皆様から指導を受けました。生徒達は、いちはやく技能を習得しようと試行錯誤していました。また、体験を通して障がいの有無を超越したプロの選手の皆様がもつ技術の高さに感服している様子でした。
一方、五十嵐様からはスポーツとの出会いや普段の生活での実体験などについて、講話をしていただきました。具体的には、自分の思いに反し実際にできなくて葛藤したこと、普段生活している中で周りの人にお願いしたいこと、パラスポーツとの出会いや活動を通して得たものなどについて、生徒達が臨場感をもってイメージしやすくなるよう配慮をしながらお話をしてくださいました。
生徒達からは、「楽しかったです。暗に障がいをもった方は大変そうで、自分達が手を貸さなければいけない存在だと思い込んでいましたが、パラスポーツや五十嵐さんのお話から、決してそうではなく、自分よりもすごい力をもっていることがわかりました。また、パラスポーツは、春フェスのボッチャの時もそうでしたが、特別な人だけが楽しむものではなく、すべての人が楽しめるものだということもわかりました。」といった類いの感想が多く聞かれました。春フェスからの系統的な学びが効果をもたらしていることも感じ取れます。
五十嵐様には、春フェスにおいても、「ボッチャ」競技に係る指導・助言、ダイジェストスライドショーの作成等、計画段階からご参画いただき、今回の福祉学習でも、全面的にバックアップしてくださるなど、「チーム紅蓮」の皆様と共に、本校の教育活動に対して、多大なるお力添えをしていただいております。心より御礼申し上げます。