研究の概要

研究主題

自ら学び,生き生きと表現する子どもの育成

~言語活動の充実を図る学習を通して~

主題設定について

 知識基盤社会の到来やグローバル化の進展など,急速に社会が変化する中,子どもたちには,幅広い知識と柔軟な思考力に基づいて判断することや,他者と切磋琢磨しつつ異なる文化や歴史に立脚する人々との共存を図ることなど,変化に対応する能力や資質が一層求められている。また,生涯にわたり学習する基盤が培われるよう,基礎的な知識および技能を習得させるとともに,これらを活用して課題を解決するために必要な思考力,判断力,表現力その他の能力を育み,主体的に学習に取り組む態度を養うことがますます重要となってくる。

 こうした中,小学校の新学習指導要領が全面実施され,総則の中では「生きる力」育成の理念はそのまま継承されている。さらに,言語に対する関心や理解を深め,言語に関する能力の育成を図る上で必要な言語環境を整え,言語活動の充実を図ることに配慮することが求められている。

 本校では,一昨年まで「道徳の時間」の授業実践を柱に,互いに認め合いよく考えて行動できることを主題に取り組んできた。

 昨年度,本校の児童の実態をもう一度見つめ直したとき,異年齢で協力して活動し,与えられた役割を一生懸命に果たそうとする態度が育ってきてはいるが,さらに自ら課題をもち,進んで取り組んだり,思いや考えを生き生きと表現する力を身につけたりすることが不可欠であると考え,主題を設定した。

主題について

自ら学びとは・・・・・・自分を取り巻く様々な事象に対して,主体的にかかわり,課題意識をもち,追求することである。

①  見つける(発見する) ~ 興味のあること,おもしろいと思うことや大切なことを見つける。

②  疑問をもつ ~ 問題意識・課題意識をもつ。さらに知りたいことをはっきりさせる。

③  自ら進んで課題に取り組む ~ 目的(課題)達成に関わる手段・方策を見つける。

④  考える(考察する) ~ 資料,文書などからその理由や意味を考える。

⑤  まとめる(要約する,構造化する) ~ 要点をとらえる。吟味し,再構成する。

⑥  見直す(検証する) ~ 視点を変えてみる(多角的にとらえる)。他と比較する。

⑦  学びあう(話し合う,相互交流) ~ それぞれが考えたことを出し合い,深める

⑧  知らせる(発信する) ~ 考えをまとめる。発表する。

 生き生きと表現するとは・・自分が経験したことや学んだことを,自分なりの言葉で自信をもって表現することである。

①  相手意識 ~ 相手に分かってもらおうという意識をもち,進んで表現しようとする

②  目的意識 ~ 目的や場面に応じて伝えたいことを的確な言葉を使い,相手に分かりやすく表現しようとする

目指す子ども像

・自ら課題を見つけ,主体的に学習に取り組む子

・自分の思いや考えを,自信をもって自らの言葉で表現する子

研究仮説と研究内容

【 仮説1 】

【 仮説2 】

【 仮説3 】

【学び方を身に付ける

学習過程の工夫】

自ら学ぶ学習過程を工夫することにより,学び方が身に付き,課題解決の見通しをもちながら進んで課題解決することができるようになるであろう。

【主体的に表見する場の工夫】

子どもが主体的に表現できる場を設定し,多様な表現を工夫することにより,相手意識・目的意識が高まり,自分の思いを伝えることができるようになるであろう。

【表現意欲を高める工夫】

言語環境を整え,全体発表の場や言語に関わる日常的な取り組みを工夫することにより,豊かな言語を身に付け,気付いたことや感じたことを伝えようとする表現意欲を高めることができるであろう。

< 研究内容1 >

(1)   学習過程と言語活動の位置      付け,個に応じた支援と評価

・1単位時間の学習過程

(2)   課題を明確にする指導計画の工夫

・指導計画の基本形

(3)   学ぶ意欲を高める学習課題の工夫

< 研究内容2 >

(1)  「書くこと」のおさえ

(2)  「書く活動」の場の設定

・書く活動の系統性

(3)  「ワークシート」の活用

(4)  「ノートに書く」指導

(5)  話し方と聞き方の指導

(6)  「話す」「聞く」指導の重点月間目標の設定

(7)  聞き手を意識した話し方と,話し手の意図を受け止める聞き方の工夫

< 研究内容3 >

(1)表現意欲を高める評価活動

・自己評価

・相互評価

・教師の認め励ます評価

(2)子ども理解を評価に生かす

・診断的評価

・形成的評価

・総括的評価

・評価の手順

(3)言語環境の整備

・言語指導の場

・環境条件の整備・言葉の指導