『長い歴史の聖和小学校が幕を下ろします』

           旭川市立聖和小学校長 中谷 扶美子

   

 長く続いた厳しい冬の日が遠ざかり,あちらこちらに春の気配が感じられるようになりました。稜々とそびえる大雪山の姿も美しく春の光に輝いています。

 

 去る,2月13日(土)には240名以上の卒業生・地域・保護者・ご来賓の参加により,閉校式典と惜別の会が行われました。今年度で閉校の寂しさは言葉に尽くしがたいものがありますが,聖和っ子たちはお別れの言葉や合唱「ふるさとの四季」そして,よさこいの演舞などで皆様への感謝の気持ちを表すことが出来ました。閉校記念事業実行委員会の皆様,地域の皆様には多大なご支援をいただき,心より感謝申し上げます。

 

 3月18日(土)には第115回卒業証書授与式を挙行しました。卒業生は,小学校生活の思い出や在校生への思い,保護者や地域の方たちへのお礼の言葉を発表しました。10分を越える呼びかけの間,ほとんど原稿に目を落とすことなく真剣な表情で語られる言葉は参会者の胸を熱くしました。在校生も心のこもった呼びかけやしっかりとした行儀で卒業を祝いました。岡本知高さんのコンサート以来,聖和っ子を全面的に応援してくださっている国立(くにたち)音大の先生が千葉からサプライズで来校され,ピアノ演奏で式をさらに感動的なものにしてくださいました。卒業生は,参加者全員に祝福され,聖和小学校最後の卒業生として巣立っていきました。

 

 そして本日,平成27年度の修了式を迎えました。聖和っ子はこの1年間で各学年それぞれに心身共に大きく成長しました。子どもたちの顔を見ると,4月から西神楽小学校で始まる新しい学年の準備がすっかり出来ているようです。式の中で「学校は変わりますが,周りで見守る保護者の方・教職員・地域の方たちはこれからもずっと応援しています。」と伝えました。

 

 115年の歴史に幕を下ろさなければならないことは大変残念ですが,熱意ある保護者,温かな地域の皆様に見守られ,豊かな自然に培われた健全な心身をもった聖和っ子たちは,新しい環境の中でも一人一人が郷土の誇りを胸に,たくましく成長してくれるものと信じてやみません。

 

 これまで,聖和小学校を温かく育んでくださいました地域・保護者の皆様に心からお礼を申し上げるとともに,聖和地区のますますのご繁栄を祈念いたします。