今年度、本校は文部科学省の「リーディングDXスクール事業」の指定校として、GIGAスクール構想に基づく1人1台端末の先進的な実践例の創出や調査・分析を目的とした取組を進めています。
今回は、東京学芸大学 高橋 純 教授に本校の授業参観及び講演を実施していただきました。
現代の教育において、紙の教材が学習動画やAIドリルに置き換わる可能性が高まり、子どもの学習環境が大きく変わろうとしています。しかし、最終的なゴールをどう設定するかが今後の課題です。端末の活用は、より良い問題解決活動を実現するための重要な手段となります。
子どもたちの将来を考えると、彼らが未知の山に登るように知識を発展させる力が必要です。問題解決学習においては、端末を活用し、学び方を身につけさせる学習活動が求められます。生涯にわたって能動的に学び続ける力、つまり未知の山を登る力を育むことが重要です。
問題解決には問いを立てることが重要です。思考力・判断力・表現力は、問題解決の繰り返しによって育まれます。整理・分析の際には、子どもたちが自分で項目を考えることが大切です。教科書には見方・考え方が書かれており、それをうまく使って教えることで、コンピテンシー(知識を確実に行動に移す力)が身につきます。
コンピテンシーを意識しながら教科書を使うと、子どもたちに教える内容が明確になります。知識の理解の質を向上させるためには、言語活動や思考活動を通じてアウトプットを繰り返すことが必要です。知識・技能から思考力・判断力・表現力へとつなげることが求められます。
授業づくりの考え方として、子ども一人一人が主語となることが重要です。個別最適・協働的な学びや自由進度学習の理論を取り入れ、自己決定・自己調整を促す授業が求められます。1人1台の端末を活用し、自分のペースで学び、大量の情報をいつでも参照できる環境を整えることが必要です。
授業が複線化されることで、個別最適な学びが孤立した学びにならないようにし、問題解決の場面では観点を見つける発問を行います。比較することが自然な分類や関係付けにつながり、情報活用能力の向上にもつながります。
今回も市内から多くの先生方が参加され、実りの多い研修となりました。皆様お疲れさまでした。