一人一台端末を活用した個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実に向け、緑が丘校区小中4校で実施しているリーディングDXスクール事業(LDX)について理解を深めることや、自校での実践について情報交流を深めることで、小学校同士の「横のつながり」や小中連携の「縦のつながり」を一層強め、今後の指導に役立てることを目的として「緑が丘校区小中合同研修会」を行いました。
昨年に引き続き2回目の開催となります。講師は合同会社LTS代表、文部科学省の学校DX戦略アドバイザーを務めている 菅野 光明 様にお越しいただき、小学校での授業参観及びグループ協議やパネルディスカッションでのご助言をしていただきました。
前半のグループ協議・全体交流では、「LDXスクール実践で良かったこと・困ったこと」「『教える』と『委ねる』の境界線はどこ?」の二つの柱について、小中混合のグループで、自校の実践を交えながら協議を行いました。高学年グループからは「共有が増えたことで、子どもたち同士で学ぶ良さについて気付くことができた」といった成果が上げられました。また、特別支援教育グループからは「委ねるのが難しい場面もあり、しっかり教えることも大事」という意見も寄せられました。普段交流の少ない校種間での情報交流により、新たな発見をすることができた先生方が多く見受けられました。
後半は、次年度より端末がiPadからChromebookに移行されることを見越して、「LDXスクールはChromebookでどうなる?」というテーマでパネルディスカッションを行いました。はじめに旭川市教育委員会学務課ICT担当者から経緯について説明いただき、次いで市内小中学校の実践紹介、その後、課題などについて率直な意見が交わされました。また、フロアの先生方はGoogleチャットを使い、気がついたことや感想などをリアルタイムに送っていただきながら、活発な意見交流を進めることができました。
コーディネーターを務めていただいた菅野様からは、「低学年のうちから、しっかり「見方」「考え方」の基礎を育てること」「主体的・対話的で深い学びを目指すためには、4~5月の指導が勝負。この期間に、教師は教科の学び方を示し、きちんと教えることが大切であること」といったご助言をいただきました。
ICT活用の最先端を走っている学校でも、1番力を入れているのが年度当初の基礎作りだそうです。デジタルを活用した先行事例ばかりに目が行きがちですが、その土台には徹底した教科書の読み取り等があり、そうした基礎の着実な積み重ねが、1年の学びの中で最も重要だということ、そして「教える」ことと「委ねる」ことのバランスや、「教える」から「委ねる」へのタイミングについて、全体で理解を深めることができました。
今回も、小中合わせて100名近い先生方に熱く語り合っていただきました。閉会アンケートでは「若い世代が熱心に取り組んでいるところが良い。ベテランがこれまでのアナログでやってきたことを、DXによってこんなに便利で効果的になるということを熱弁してもらうのもいいと思いました。」「貴重な学びを得たと思っています。管理職として役割を見直す機会になりました。」等、ほぼ全ての先生方に「参考になった」「また参加したい」という回答をいただきました。
今回の研修を受けて、各学校が個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実に向けて知見を広げ、小中が連携しながらLDXの推進が図られることを期待しています。